小屋が見えてきてからは、安心するお陰で
更に辺りを楽しむことができます。
山登りの時の心情は単純で純粋です。
綺麗な物は綺麗、楽しい事は楽しく、キツい時はキツい。
単細胞になるとも言えますが。。
人や社会の中に居ると誰しもパラレル思考的になっている気がする。
人の事、仕事のこと、お金や社会、更には感情的な事・・・。
程度の差はあれど、常に何かの情報を処理しているのでパンク寸前。
運動するとそれが単純になり、脳も負担が少ないので整理出来るのだろう。
運動したあとスッキリしているのはそういうことなのだろう。
たぶん。
小屋に向けて更に下ると、
タカネトウウチソウの群生が。
ポワポワで可愛いです。
高低差がある群生だと違う生き物に見えてくる。
全員に見られている感じがします。
アザミの街灯が良い味出してます。
タカネトウウチソウはここでは普通に見られるのですが、
よくよく考えてみると普通じゃないな。
本州では後立山のどこかで見たような気がする。。
その横では秋が始まっていた。
あと数週間でこの紅葉にも霜が下りる。
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さて。
白雲岳避難小屋に到着です。
ひとしきり景色を眺めてから、荷を下ろす。
前を見ると段々と雲が晴れる時が長くなってきた。
明日に向けて天気は回復傾向にある。
小屋はこんな良い時期なのに空いていた。
スペースを広く使えて快適な夜が約束された。
いや、混んでても屋根の下であれば快適そのもの。
長い山暦でも小屋泊りは数える程。
意地でもテントだろという拘りは薄れてきた。
だって快適だもの笑
こんなクイックな旅にはピッタリです。
良い景色に出会う為に拘りは邪魔な時もある。
荷物を軽く、速く行動出来るのは大きい。
お腹いっぱいご飯を食べて、
寝床作りに寝袋やら荷解きを済ます。
自分の頭の上は窓。
ちょっと良い場所です。
外のテント場の監視は任せて貰おう。
(拘りと言いながらテン泊が羨ましいと思ってしまう)
全て整ったら小屋の中が明るくなってきた。
外の天気が良くなってるようなので、出てみよう。
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おお…。
光が…。
ここから先に伸びる忠別岳への道は天国。
まるで物語の午後のような景色。
(緑の中にスッと伸びるトレイルが見えますか)
今回の行程はここでストップですが
いつかあそこを歩きたい。
「あの先へ」なんて心から思ったのはいつ振りか。
(それぞれが思い思いに時間を過ごす)
光が当たると何もかも輝いて見えます。
さっきまで何とも思わなかった向かいの山も素敵。
小さな小屋も相まって異国感が漂う。
この小屋は言わずもがな。
移り変わる雲で色が目まぐるしく変わる
影とか色とか空間とか
目の前に広がる無限ピクセルの光に
ただ何も言えず見てるだけ
意識の奥まで滲みるように眺めます。
大きさが実感出来るまで。
(さっき言った憧れのトレイル。ヒグマを探す)
影で陽の沈みを追いかけてたら
太陽が雲に沈む。
回復傾向にあるがそう甘くはなかった。
ささ、寒くなってきたので小屋の中へ。
期待していた夕焼けは雲に隠れてお預け。
ちょっと雹が降った夜でした。
今夜は暖かい小屋の中でおやすみなさい〜。
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朝。
起きて外に出てみたら霧の中だったが…。
さぁっと風が吹いたら雲が抜けていく。
自分の後ろから風が起こり、目の前の雲を晴らしていく。
そしてまた雲の固まりが背中に当たり真っ白に。
天気を操作しているみたいです。
その雲も少しずつ薄くなり。
本日の好天は約束されてしまった。
良い朝は良い一日を示す。
いい朝は何度経験しても素晴らしいと思う。
健やかで良い人生の始まりを予感させてくれます。
新しい朝が来た 希望の朝が
喜びに胸を開け 大空をあおげ
続きます。