着いたのは小田原城横の清閑亭。
実は存在も知らず、初めて来たのです…。
ここは明治39年に建てられた黒田長成氏の別宅が始まり。
本田宗一郎の生まれた年か…。
黒田の姓で分かると思いますが、秀吉の軍師、黒田官兵衛の末裔です。
ここまで来るのに、少し坂を登ります。
大雑把に言うと、小田原城の城郭の一部の高台に建っています。
山から下りてきましたが、今日は本当に暑い。。
しかし、玄関をくぐったら、グッと涼しくなりました。
この大きなテーブルは、山縣有朋邸にあったそうです。
この廊下、本当に良いよなぁ。
住む家はこうありたいとずっと考えてました。
窓が多く、採光重視。
昼間は最低限の照明で充分明るい。
この明暗の具合も好みです。
こういう所では頭の中で「自分が住んだら妄想」が始まるのですよ…。
造りは大きな茶室のような印象です。
質素に見えながらも、実は技巧の塊だった…的な。
素晴らしいな、ここ。
さて、お二階へ上がります。
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oh.....yeah....
この部屋に入った途端に風が吹き抜けます。
なんて涼しい部屋だ…。
そうだよな、エアコンなんて無かったんだもんな。
まったく…。
特権階級の人々は良い場所に建てる。
んふふ。気持ち良し…。
畳はいい。
靴下無いのはマナー違反ですが、ご容赦を。
表具とかも素晴らしい作り。
やっぱり凄いんだな。
しばらく、というかかなり長い時間ここでゆったりと過ごしました。
こんな過ごし方も良いよね…。
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下に降りて、庭に出てみます。
これ、一枚板か。
数寄屋造りと茶室のミックス。
近くで見ても立派な杉戸絵。
サンダルがあるので気軽に外に出られます。
この沓脱石の大きさよ…。
ちょいちょい侯爵の別荘という事を思い出します。
そして床下も空気が抜けるようになっていて、
涼しくなるように工夫されています。
人が座っている所はカフェです。
中でコーシーが飲めます。
本を読んだりしてる人が多かった。
軒下の犬走りも豪華です。
ちょっと外れた所にある外作業の場所。
こんな所を見るのが好きです。
風で落ちた瓦とか、銅樋の成れの果てとか。
どんな事がこの建物に起こったのか想像するだけでも面白い。
こうして残してあるのは、手を掛けられて維持されてるんだと思います。
欠片すら大事な物。
想像ですが(笑
ここは隈なく見てやろう、という種類では無く
ちょっと寛ぎに、この海風を感じながらゆっくり過ごすために来たい所。
今回はカフェの利用はしませんでしたが、かなり良い。
ふと目を上げると、落ち着いた庭があるって素晴らしいことです。
もちろん二階の部屋で、静かにポツポツ話すとかでも愉しい。
清々しい気持ちになって、清閑亭を後にします。
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さて…。
今から小田原城に寄ったら日が暮れてしまう。
少し雑貨屋巡りをして…。
無目的に市街をうろちょろします。
(お堀にハスが少し残る)
小腹が空いた。
伊勢屋に寄ります。
ここは小田原沿いの国道1号を走っていると
クランク状になった目の前にある店。(通ると分かる)
いつも気になってましたが、車の流れでなかなか入れない。
今日は入ります。
コツは国道のクランクを右ではなく左に曲がること。
そしたらすぐに右に曲がる道があるので、
そこを曲がると伊勢屋の駐車場がありんす。(通ると分かる)
豆大福を。
京都で食べて、また食べたくなった。
お店を出て、裏手の広場で食べようとすると、女性に声を掛けられます。
「暑いから中で食べなさいよ〜。お茶も出すよ」
「!」
入った所は休憩所らしい。
伊勢屋の隣です。
ここは網元の家だったらしい。
凄く立派でびっくりしました。
ここで豆大福を食べます。
しかしケーキとか大福を食べる時って…なんて幸せなのだろう。
ここでお話しをしながら、またしばらく過ごしました。
網元の棟梁しか着られないらしい。
三つ鱗紋。小田原らしい後北条の紋です。
この網元、凄かったようです。
北条は前、後とありますがどっちの歴史書も読み終えたばかり。
どちらの北条も好きだったりする。
愚鈍な事で知られる「小田原評定」ですが、領民からしたら
素晴らしい内政だったようです。
勝者の記録や評価はあてにならないのかも。
さてさて。
この後、自分にとって衝撃が走る出来事がありました。
続きます。