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宿毛の夜。
ご飯をしっかり食べて、港の公園で休息中。
優しい方に何人も声を掛けていただき、色々話をします。
皆さん一様に心配をしてくれます。
そして、良い旅になるようにと結び、笑顔で去っていきます。
ここ宿毛ではいい人ばかりに出会う。
そして花火をやっている人も去り、釣り人も去り・・・。
静かな夜になってきた。
音楽をゆったり聴きながら。
今回の旅のメインテーマ。
ずっと頭の中を流れています。
気持ちにフィットする歌詞とペース。
将来この曲を耳にした時、この時の旅が思い出されるでしょう。
これ、大事。
「日々、思い出づくりに励む」
いい思い出が多いと、その先の人生で辛くなった時
必ず生きる力になってくれる気がします。
思い出とは人生そのものの履歴。
前へ進むために大事に持っておきたい部分です。
自分の場合、いい思い出を引き出してくれるものの一つは音楽です。
満天の星空の中、出発の準備をします。
3時間位でしたが、この場所で良い休憩ができました。
・・・というのは、夜中に出発しなければいけないのです。
23時に再び宿毛の港へ。
ゴンゴンゴン・・・・・
腹の底から響くようなエンジン音を響かせながらフェリー入港です。
入ってきた古いフェリーを見て、仰天しました。
「なんて昭和なんだ・・・」と。
ノスタルジー野郎には半端じゃなく嬉しいのです。
昔乗った、「思い出の中の船」を十分喚起させます。
そう、ここ四国の宿毛から九州へ渡ります。
何より驚きなのは、夜中の12時に出港するのです。
1日3便、その第1便です。
夜中だぜ・・・。
ゴウンゴウン・・・。
九州からの車が吐き出され、いよいよ乗り込みます。
今、いつの時代にいるのか。。
蛍光灯だからホワイトバランスを変更・・・。
いい感じにくたびれています。
嬉しくてしょうがない。
何もかも良い・・・小躍りしてしまいそう・・・。
この垂れるように塗ってあるペンキ。
錆の上から平気で厚塗りの具合、そして匂い・・・全てがノスタルジック。
この急な階段やら何やら・・・。
昭和に浸りたい方、おすすめです。
無事に出港です。
さらば宿毛、さらば四国。
先程は中途半端に微睡んだので、すぐに眠くなり・・・・。
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3時間後アナウンスが流れ、九州が近づいた事を知らせます。
再び降りて、準備を・・・・。
これは機関室入り口・・・。
奥からモノスゴイエンジン音が聞こえます。
油っこいのが実にたまらない。
こんな使い込まれた車止めにも萌えてしまう・・・。
多くの人は画像を見て汚くて古い、と思いますが。
過剰に清潔なものが尊ばれている昨今。
このフェリーに乗って、久し振りにいい気持ちになりました。
いきなり九州到着。
ここは大分県佐伯市。
あ、雨じゃないか・・・。
ここからどう走るんだっけ・・・(笑
深い眠りだったので、地図を見るのをすっかり忘れていた。。
何となく、海沿いを行けばいいだろうと大きな国道ではなく、くねくねした道を走ります。
そしてずんずん市街地を離れ、寂しくなってくる。
そして峠道になってきた気がします・・・。
雨が降っている上、濃霧になってきた。
峠のトンネル。
トンネルの中まで霧がたっぷり入り込んでいます。
初めてだこんなの。。
不思議な世界の入り口のような、妖しいような・・・。
感度の良い写真では結構遠くまで見えますが、実際だともっと視界が悪く暗くて濃く見える。
トンネルを抜けても霧が続き、真っ暗です。
また、違う土地に来たということを否応なく思い知らされます。
もちろん、楽しくてしょうがないですが(笑
ずっと山の中を走っていて、やっと下り始めた。
ずっと下の方に集落らしきものが出てきた。
今、自分はどこを走っているか知りません。
この先、どんな景色が待っているのか・・・。
現在午前4時位。
続きます。