2017年 05月 07日
北アルプス GW 2017 2
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あっという間に日が暮れて。
夜。
どんどん風が強まり、テントを揺らし、地吹雪に包まれます。
雪壁を作っておいたので緩和されますが・・・相変わらずのすごい風。
やや暴力的な風で、テントのドアを開けていると、中は一気に雪景色になります。
閉じたり開けたりしながら夜景を見ます。
息をするように激しく吹いたり無風になったり。
しばらくはテントを押さえていないと大変な時もありました。
しかし、この前の熊野での風に比べれば・・・大した事ないな・・いや、大したことある・・。
テントの壁を雪が打ち付ける音がしばらく続き、パネルを開けることが出来ません。
結構時間が経った頃、一瞬風がやみ、隙をついて表に出ました。
?妙に明るい。
そこに広がっていたのは・・・。
奥穂高岳と涸沢岳の間に月が浮かび、強風でゆったりと雪煙を上げている。
乱れるように高く昇っていくのは今日降った新雪。
その遅さが却って恐ろしい。
禍々しいまでの美しさ。
テントの外には誰も出ておらず、こんな景色が広がっているのを気付いているでしょうか。
満月だともっと明るいから更に凄いのかもしれない。
凄い・・・でも風も凄い。
カメラがブレてしまう。
強風の中、どんどん体が冷えてくる。
元気印の自分でも、この風にはたまらない。
これ以上は耐えきれなくなってテントに入ります。
寝袋に入ると暖かく、あっという間に熟睡してしまいました。
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朝になると快晴で雲一つない空。
白化粧の伽藍が辺りを取り囲んでいます。
本当に美しいな。
すぐに準備して出発です。
登り始めからちゃんとヘルメットをかぶって。
ゆっくり登高します。
体がちゃんと起きてきた時には急斜面、着実に足を運ぶ。
リズムが出来てきていいペース。先行者に追いつく。
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周りの山が低くなってきた頃・・・穂高岳山荘に到着。
まだまだ雪の下で、掘り出す作業を大勢でやっていました。
向こうの山が見えてくると嬉しい。
GWの事故に備えて、県警の小屋入りです。
本当にご苦労様と心の中で。
お世話にならないように行きます。
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あっという間に涸沢岳に到着。
3110mからの景色は爽快です。
奥穂高岳は今回は嫌な予感がしたので見送り。
槍ヶ岳もここにきてやっと出会えました。
甲斐駒ケ岳の向こうには富士山。
360度、山。
大きな景色を前にすると無口になる。
んで、頭が真っ白になります。
ただ自分が小さく感じ、ただここにいるだけという感覚になる。
気持ちが震えるという事はなく、とても穏やかです。
下山後に感動が増してきて、また行きたくなる。
それは強い衝動となったりして、その時は疲れや苦労なんかは忘却の彼方。
ただ美しい山の匂いや景色が胸を抉る。
山はこの連鎖なのかもしれません。
ゆっくりお茶を飲み、お昼ごはんを食べたりして・・・。
富士山と八ヶ岳連峰、丹沢は見えるかな・・・。
さて、そろそろ下に降ります。
続きます。
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2017、私のゴールデンウィーク!
決して自らは経験できないであろう空間と時間を、あたかも経験しているように感じさせてもらい感動です。雪煙の夜の月、一夜が明けた朝の抜けるような空、、、自然を「伽藍」と表現なさるあたりkkaiさんらしい、、、
帰路お気をつけて!
今思うのは ただただ ドラえもんと友達だったら 「どこでもドア」を出してもらうのに。。。!!
ぃぇぃぇ!!
kkaiさんが わたしのドラえもんですね^^ 体型はドラえもんじゃあありませんよ^^
夜のシーン 泣きそうなくらい感動しました!! 簡単な表現ですみません。
360度、山。
それだけで良いですね…。
登っているときは辛くて、でも、下山するとそんなことはどっかにいってしまって、
で、また何故か辛い思いをして登る。
山の連鎖に思わず頷いてしまいました(笑)
『奥穂高岳は今回は嫌な予感がしたので見送り』案外あたりますよね。
kkaiさんのご無事のご帰還願っています。
こんばんは~。
山はゆっくり歩けば山頂に着くんですよ~。上高地を歩いているmagnifikaさんなら行けるはず・・。
小屋もあるので、雪のない時にチャレンジしてみては。
夜はちゃんと三脚を持てばよかったと思っていましたが、臨場感あるかなと(笑
綺麗な景色でした。
いつもありがとうございます。
こんばんは~。
ど、ドラえもん??(笑
きっとパニックになっている状態のドラえもんですが・・。
自分もひみつ道具の中で一番どこでもドアが欲しい者の一人です(笑
体型・・気をつけます。びっくりして青くならないようにもします(笑
どら焼きをいただければ喜んで!
夜は三脚が無かったのですが、雰囲気だけ・・・。
撮影が次の課題となりました。
でも神秘的な夜でしたよ~。次の山ではもっといい景色を見たいと思っています。
こんばんは~。
ほんと何で登るんだろうって登りながら考えたりしますよね。
長くて辛い樹林帯とか、雨の時とか・・。
でも綺麗さっぱり忘れて、山が恋しくなるんですよね。
テクニカルな事をせずとも、ただ景色を眺めているだけでも充分と思ってきています。
時にテクニカルだと気持ちが踊りますが・・。
いい山を重ねて行きたいですね。
今回、装備の一新を本気で考えました(笑
こんばんは~。
上弦の月で小さな月でしたが、明るくてびっくりします。
きっと雪の反射もあるんでしょうね。いい夜でしたよ~。
風に巻き上げられた雪が荘厳な景色を作り出していて、山らしい夜でした。
嫌な予感って結構当たるんです。
なので無理をせずに登って良かったです。今年は結構遭難が多かったので
もしかするとニュースになっていたかもしれません・・・。
ビビるのも良い時もあります(笑
こんばんは~。
そんな・・ありがとうございます。
やはり山は別世界ですね。実際に登っていて、ずっと安定した気持ちでした。
そういえば山に居ると、いつも落ち着いて居るように思います。
同じく、です。
こんばんは~。
月の晩は山でも川でも海でも、なんて神秘的なんでしょうね。
写真で撮ると、昼間と変わらないように見えますね。
あ、たしかにそう見えますね。
この夜も綺麗すぎて畏怖を感じました。自然を畏れるって普段感じない事なので
ホント貴重だと思いますね。
こうした星の近い夜は自分のミクロさを感じずにはいられません。
小さく登って何になるんだとか・・・。
天文学者はどういった気持ちで星々を見ているのでしょうね。気になります。