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Sauntering  古錆日記・気に入った物、コトをつらつらと。

2016 GW カブ旅 3 野麦峠→資料館→岐阜





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野麦峠。




古くは江戸時代からの峠道で、冬は雪深く多くの人が命を落としたと伝えられています。
女工哀史で今なお知られていますね。

飛騨と信州を結ぶ、大事な物流の道だったようです。



知ってはいたものの、いつか通ってみたかった峠です。


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こちらは今で言う避難小屋・・いや石室です。
吹雪いた時や、日が暮れて疲労困憊になった時に避難する場所。
中に入ってみると風も空気の流れも感じず、暖かいです。
奥には焚き火の出来るスペースもありました。

近代化に伴う過酷な歴史を後世に伝えるということで、崩れた石を集め
有志が復原したものです。
踏み跡から、今でも多くの人が訪れている様子です。
碑文から幾人もの命を凍死から守ったようです。



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峠に向かう間に、色んな所で石仏や石碑を見つけました。
往時の往来の多さを見て取れます。

峠とは元々「手向け」という言葉が転じて出来た言葉。
神の住む場所として、信仰の対象になっていたり、旅路の祈願をしていたようです。

旅の平安願う気持ちを、数々の石碑が物語っています。



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バイクを降りて、当時からある本当の旧道を歩きました。
敷石も当時のまま。
今ではハイキングの人や歴史愛好家しか通らないでしょう。




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ちょっとだけ歴史を知った上でここを歩くと、賑やかな往来の日々を想像してしまいます。
風が梢を渡り、静かで穏やか。
過去と現在の接点が感じられず、不思議な気持ち。


観光では無く、この道を「必要」として最後に通ったのはいつだろう。
そして、どんな想いでこの道を通ったのだろう。。



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ロゼット葉が模様に見えた。





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何となく雰囲気が出てきた頃、峠に達します。
峠越えの時、植生や雰囲気で「あ、もうすぐだな」と何となく分かる。


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飛騨国、岐阜県に入ります。







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???



峠に「野麦峠の館」という資料館があり、迷わず入館。
入っていきなり野麦峠の四季という映画を見ました。


入場者は自分一人、館主の方が、詳しくガイドしてくれました。
女工哀史の裏話、野麦峠の由来、歴史・・・。
自分が横浜から来たと伝えると、横浜の絹糸検査場の事も教えてもらい・・。
そこで、少なからず自分の今住んでいる所と、飛騨地方に繋がりがあることを知りました。
それについては後ほど・・・。



館内を見てみます。



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惹かれたコーナーをピックアップします。

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カンジキに尻皮。

そして・・・。

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この藁沓(わらぐつ)、なんと山葡萄蔓編み。
脛巾(はばき)も同じく蔓編みです。
藁製の沓は持っていますが(持ってるんかい)葡萄蔓で出来ているのは初めて見た。
これは凄い・・・。

沢登りでも山葡萄で編んだ草鞋は超貴重品。
藁に比べ強度と持ちが尋常じゃないらしい。
噂には聞いていますが、まだ見ぬ物のひとつ。


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(背負子。これも持ってる・・(笑)





そしてまたしても素晴らしい物が・・。


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このザック・・欲しい。


サイズ感と背負った時の馴染み。
絶対良いんだろうな~という逸品です。
これ同じの見たら絶対抱え込むだろうな。

このコーナーでは溜息ばかりでした。



さて、次のコーナーは・・・。



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やっぱり木と鉄にモエます。
ホント美しく、使って幸せな予感しかしない。


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ううーん、いいなぁ。


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これも凄い。

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洋も好きですが、和もいいなぁ。
自分なりに両方に共通する美を見つけて、生活に取り入れたいです。

これらを見る時は、過去の遺産として見られない。
ちょっと骨董市を見ている気分です。
そして古いものでも時に新しく目に映る。
そんな時代を越えて使える道具こそ、本物なんだなと思います。





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飛騨と横浜を繋ぐもの、それは絹です。


明治時代から段々と盛り上がりを見せ、諏訪湖周辺で一大産業となりました。
諏訪湖の綺麗な水や湿度などが、製糸に物凄い適していたそうです。

なので当時の隆盛と言ったら国家事業並だったようです。
輸出の品目としても、超一級の品質で、世界に向けて輸出されました。
確たる産業を生み出す前、貴重な外貨獲得の品目だったようです。

富岡製糸場は日本初の官営で目立ちますが
技術や規模は諏訪岡谷がダントツだったようです。

中でも飛騨の養蚕や女工さんのテクニックは尋常じゃなかったようで
細くて均一な糸を紡げた方がたくさん居たようです。


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高度な技術を持っている女工さんは引く手数多で、当時の金額で100円以上(平均給金は15円)
を稼ぎ出していたらしい・・・。
労働や移動のキツさがクローズアップされますが、なかなか贅沢して、豊かな女工さんも居たようです。
楽しく笑っている写真も見せてくれました。
それだけいい仕事をしていれば当たり前でしょうね。


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遠く飛騨の山中から甲州街道を通り、八王子、横浜と絹が運ばれ、世界に行っていたって・・・。
話が大きくて、クラクラします。
しかも日本の絹の評価は、金と同等の価値を持っていたようです。



現在もその系譜で諏訪湖周辺では、繊維や精密機器、時計などが世界に向けて輸出されています。



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さて。滞在が長くなりました。

なにせGW中なのに、誰一人訪れないものですから、マンツーマンでガイドしてもらいました。
生きた話を聞けたようで、充足感に満たされています。
しかも、展示がとても丁寧で綺麗。

資料も分かりやすくとても良い資料館でした。
館長の人柄が滲み出ているような。

近くを通ったら、是非足を運んでください。超オススメです。



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ここからずっと下り坂。
エンジンを掛けずに原動機なし自転車で下ります。



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いい天気の中を。



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続きます。





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Commented by douzebocaux at 2016-05-13 01:12 x
こんばんは。kkaiさん。

GW旅が始まりましたね~。旅の始まりはどうなることかと思いましたが...一気に旅らしくなりましたね(笑)

そして、野麦峠と聞くと、悲しいイメージしかないのですが、ひも解くと色々なことがあったのでしょうね。それにしても、資料館は素晴らしいですね~。気になる道具が多々あります。。

ザックも素敵ですが、筒形のカゴやアイアンと木のジャグのようなものも気になります。ちょうど、この間見た美術展に展示されていたイギリスのアンティークに似てます!

元生糸検査所の前にお店を構えているものとしては、絹の歴史は昔から気になっているんです!横浜とフランスをつないでいた事にも興味があります。ちょと調べてみたくなりました。

遅ればせながら、5周年おめでとうございます!!継続は力なりですね~。これからの旅も楽しみですが、今後のフルサビブログも楽しみにしていま~す。
Commented by kkai0318 at 2016-05-14 00:22
douzebocauxさん

こんばんは~。
スタートは得てしてこんな感じです(笑
どうにも張り切るという感じにならなくて、普通に出発という
パターンなんですよ~。これからもっと旅らしくなってくるかと・・。

野麦峠は自分もそうでした。
やはり女工哀史が際立っていて確かに涙を誘う史実です。
改めて本をちゃんと読もうと思いました。

話を聞くと、峠を越える人々がどんな人達だったのか更に深く知りたくなってきます。それが横浜に至る源流だと考えると凄いですよね。
資料館で横浜の検査場の写真を見せられた時はびっくりしました。
近いうちに撮影に行きますね。

この鉄で覆ったジャグは実はよく見ます。
何に使うかは調べておきますね。
用の美は時代と国を越えるんですね~。イギリス製だったりして。

こちらこそいつもありがとうございます。
感謝しきれないくらいですよ。
では、また近日に!
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by kkai0318 | 2016-05-12 01:02 | カブ旅・カブ | Trackback | Comments(2)