Sauntering  古錆日記・気に入った物、コトをつらつらと。

Cubbing West 14




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大きな大仏殿を見た後も境内をウロウロします。
この清浄な雰囲気をもっと味わいたくて。



警備員さんに話しかけられます。


「ここから行くと鐘があるよ。ここ、通っていいから見てみな」



あ、大鐘か・・・。
国宝のやつだ。


よし、行ってみよう。


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この石段を登る。

写真で見えるように右の樹木が覆いかぶさっています。
普通なら切ってしまう樹木。
バッサリ切って綺麗にするのではなく、敢えて残している風情です。
これを残すあたり、良い思想が見えてきます。
上は禅寺なのかと思いました。


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朝日が当たる前、鐘楼が目の前に。
翼を広げたような軒に「おぉ・・」となります。

下から見上げると反り返ったように見えますが、錯覚だろうと思います。
でないと昔の中国の建築のように、軒の部分に雨が溜まり腐ってしまうでしょう・・・。

パッと見て、鐘の音が全方位に鳴り響くように建てられている様子。
音が良く通るだろうな。


表示を見ると・・・。
800年前の建物!
アンティークとかのレベルではない(笑
まさに国の宝です。



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こうして近くで見ると大きいのは勿論ですが、
最初に離れて見た繊細な様子からは程遠いゴツさ。

上部で複雑に木組みがされています。目で見ても頑丈そのもの。
800年持つわけだ。


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下から見上げると、鐘は梁から単純にぶら下がっておらず複雑に組まれています。
今まで建物の倒壊は無く、鐘を吊っている綱は何度か切れたらしいです。




この音は聞いたことはありませんが、どんな音色なんだろう。
奈良の人は108回の音色を毎年聴けるんだな。



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鐘楼は予想以外に響きました。
普通にそこにある感じですが、それは凄いものだった。
来て良かった。





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案内図を見ると広大です。これも想像外です。

当初目的が3つあると言いましたが、第1は大仏殿、お次は・・・。



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鹿。

・・・ではなく、鹿の生み出した景観です。
「ディアライン」とか「鹿摂食線」とも呼びます。
鹿は届く範囲の植物を食べる。そこだけ綺麗に枝葉が無くなります。
届く範囲には上限があるので、下側が綺麗に無くなり、見通しが良くなる。

それを写真に撮りたかったのです。


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いやはや、見事。
今は冬ですが、生い茂る春夏に顕著でしょう。
これもここならでは。
奈良だけに。


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さて。
次の目的に向かいますが、時間が早く、まだ開門していません。
でも気持ち良いので、散歩しながら趣くままに。



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道の横にこんな風に割れた瓦が落ちています。

半分土に埋まっていたりします。が、これは一体いつに作られたものだろう。

こうして簡単に触っている物ですが・・・奈良時代の物の可能性はゼロではない。
縄文土器に触れた時もそうですが、遥かな時間の遺物に触れる事は改めて凄いと思う。



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また・・良い石段を見つけた。
登ってみよう、そうしよう。


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境内の外れにある風情ある場所。知足院です。
こうして門に来るまで存在すら知らなかった。


人の気配が一切ありません。
そして。



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凄く・・・そのままです・・。


「荒れ放題」に見えますが、多分そのままにしているのでしょう。
こういった所で古都の底力というか、凄みを感じる。

普通なら「補修して直そう」と思うものですが、「別に古くても珍しいものじゃないよ」
という思考を感じます。
むしろ綺麗にしたがる方がおかしいのかも、なんて思うようになりました。

うーん・・・あるがままに、人的被害や倒壊の恐れがある箇所だけを直しているのかなぁ。



奈良県の山側を走った時も思ったのですが、民家も歴史ある建物が多かった。
人が古くから存在し、生活していた痕跡が古くから脈々と続いているように見えます。
その古さは日常であり、珍しいものではないのかも。

突然都会になったような関東都市部とは、歴史の差を細かい所で感じます。




現地の人はどう考えているのか、ちょっと気になりました。
もしかしたら自分とは全然違う時間軸があるのかも。



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土壁の中には古い瓦が。
この瓦もいつの・・?



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「やっぱりすげぇ・・」と扉の閉まった本堂に挨拶をして、石段を降ります。

上の考えは自分が勝手に推測しているだけで、実は補修したかったりして・・。
でもここは好みのどストライクの寂れ方です。
良い所を見つけました。


同じ古都でも京都とは違う。
奈良は控えめである分、凄味がある。




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「おーい!ご飯だよぉ!」




石段を降りている時に毛玉が見えたので、イタズラします。





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「はっ・・・ご飯?どこだ・・・どこから言っているんだ・・?」


キョロキョロしています。
むふふ。探している。








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「お前か・・騙されないぞ」




と一匹に見つかってしまいます。
手前の子はキョロキョロしていましたが、「んだよ・・デマか」と寝てしまいました。
可愛いやつめ・・・。ごめんね。





さて。






そろそろ次の目的地へ向かいます。








続きます。







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Commented by o-rudohime at 2017-02-11 08:11
知足院に歴史を感じます。
きっと参拝客も少ないのでしょうがこんな雰囲気の寺好きですね(崩れかけている実家の土塀を思い出します)
第二の目的鹿摂食線 初めて聞きましたが「なるほどな~」と思います。
猫をからかってきたのですか 朝のミーテイングなのかしら それとも毎朝の差し入れ待ちなのでしょうかね。
Commented by mika-96 at 2017-02-11 15:06
来週奈良に行くことになっているのです。
楽しみが増えましたよ!
鹿摂食線!
Commented by suzu-clair at 2017-02-11 21:59
少しごぶさたしてしまいました。
ご訪問できなかった間の記事、
思わずずーっとさかのぼって読みふけってしまいました(笑)。
今回は西の旅だったのですね。
またまた本当に魅力的な旅をなさったのですね☆
内容が濃い・・・^^

十津川~熊野古道は、
私も昨年春に旅しました。
kkaiさん目線だと、本当にすべてがこんなにも魅力的で、
やっぱり素敵な旅のなさり方だなあと羨ましく思いました。
しかし、
あの大寒波の時の十津川の道は…
ほんとよくご無事で…なによりです。
乗り越えれば、雪の世界は美しく、楽しいものですよね^^

東大寺の清々しい空気感が伝わってきて、心洗われます。
そして毛玉ちゃんが可愛い♪
続きも楽しみにしていますね♪
Commented by kkai0318 at 2017-02-11 23:23
o-rudohimeさん

こんばんは~。
長い歴史を感じますよね。補修が細やかにされていないので
却って時代の重みを表してるようです。
ご実家は土壁なんですね。同じような土壁でしょうか?古いお家なんですね。
鹿摂食線は鹿の多い丹沢でもみられるのですが、ここまで顕著なのは無いんです。
見事に一直性なので、面白いですよ。
猫はミーティングしていたんですかね~??
ちょっと飼い猫のような感じでもありました(笑
Commented by kkai0318 at 2017-02-11 23:27
mika-96さん

こんばんは~。
来週ですか!良いですね~。8日に観相窓が開かれたみたいですよ~。
若草山もそうですが、行った後にホットなニュースが飛び込んできます(笑
鹿の摂食線見てみてください、しゃがんでみると向こうの方まで綺麗に見えますよ~。
色々調べて楽しい旅を!
Commented by kkai0318 at 2017-02-11 23:50
すずさん

こんばんは~。
お忙しそうですね~。お体を大事にしてくださいね。
色々記事をアップしているので、暇つぶしでも見てもらえると嬉しいです。
今回の旅はもうちょっと温暖な旅になるかと思っていましたが・・(笑
でも、色んな事があって楽しい旅になりましたよ~。

昨年の旅は桜が良かったですよね~。
色んな花が咲いて、いきいきとした春らしい自然でしたね。
今回、吉野の桜の下見をしようと思っていたのですが・・。
とてもではないですが、無理でした(笑

十津川は必死過ぎて・・細かいところまでは見ていませんが
通ってみて、いい場所だなって印象は受けました。
雪景色は却って貴重かもしれませんね。(無事に通過できたからかもですが・・)
しかし寒かったです(笑

東大寺は予想外に良かったです。
一般観光で行かないような所も歩けましたし・・。
観光でピックアップされている以外も、魅力的なんだなって再確認しました。
毛玉が可愛いですよね。長い毛で良い模様でした。
上から見ると、ついイタズラしたくなり・・(笑
Commented by susatan at 2017-02-12 06:21
泣きそうなくらい感動してます^^ マジッス!!!(マジッスと茶化さないと泣いてしまうからですw

一枚目 わたしの大好きな風景から始まって 心臓がバクバクw
あーた ここから撮ったんですか^^^^ ってか 此処に来ちゃったのですかw
なんて マニアックなんですか…この旅は…と今さらながらに あきれてます^^(良い意味で!!

大鐘は 毎夜8時に撞いておられます。
そりゃー 真っ暗で 渋いですよ^^ たまりません^^ 次回は ぜひ夜に^^

kkaiさん 知足院を訪問してくださって ありがとうございます!! (私が言う?
此処は ひょっとすると わたし 東大寺で一番大切にしている所かもしれません。

いろんなこと書きたいですが やめときます^^
kkaiさんの写真と文で わたしが堪能しちゃいました!!

そして。。。。瓦w
以前 東大寺のお坊様がこんなこと仰いました^^
「瓦 あちこちに落ちてまっしゃろ。いろーんな時代のんがありますねん。
 あれね イノシシが 夜のうちに勝手に発掘しよりますねん」 ^^
マジで 奈良時代なんてのが ごろんごろんしているようですよ^^

そして。。。ディアライン^^ kkaiさん 渋すぎですw 
鹿ちゃん捕食のシーンも見ていただきたかったです^^

ということで… ほんの数時間の滞在とは思えぬ深さに kkaiさんのスゴサを見てしまいました!!
Commented by kkai0318 at 2017-02-12 22:21
susatanさん

こんばんは~。
おぉ・・泣かせてしまった~(笑
やっぱりこの景色お好きだったんですね~。ここからの東大寺の威風堂々振りは素晴らしかったです。
場内を見て「こんな所あったんだ」とか新鮮な発見が多くて改めて驚きました。
そして地味に遺構が多いんですよね。何かの礎石を方方で見ました。
中に個人宅もあるとは思いませんでしたよ。

大鐘、、毎晩撞いているんですか!?
真っ暗な境内に響く鐘はいい響きだろうなと思います。
この世のものではない世界だろうな・・。夜見ておけば良かった。
入れるとは思ってないですもん。

知足院は外れにあるので、ここはどうだろうと思って石段を登りました。
佇まいが清澄で良いなと思って惹き寄せられました。
大切にしている場所に行けて良かったです。
ここだけ気持ちが変わったのが不思議でしたよ。

瓦は結構あるんですね~。最初に見つけた後、足元を見て歩いてみようと思ったので
古そうだなと思ったものが写真の物です。ここも知足院の石段横です。
黒いのやら白っぽい瓦は本当に遺跡のようですね。イノシシが掘り返すって、ここに居るんですね。
いや・・それを聞いて更に凄いと思いましたよ。奈良時代って・・(笑
いわく有りげな小石もあったりしたのですが、触らずに放っておきました。

ディアラインは何年か前に、鹿の事を調べている時、顕著な例として東大寺が挙げられていたんです。
「むむ・・絶対写真に撮るぞ」と決めていました。この木なんの木みたいで良いですよね。
桜が例だったので、オカッパのような桜も見たかったですが(笑

短い滞在でしたが、心に残った物は大きかったですよ。
あの場所は奈良の人の拠り所になる気持ちがちょっと分かりました。
Commented at 2017-02-26 10:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kkai0318 at 2017-02-27 22:47
鍵コメさん(eさん)

こんばんは~。
なかなか色んな事が起きて濃い旅だったんです。
西笠田に行った時、思いましたよ。あ、近いなって(笑
前に飛鳥の方を行っていたので行ってみたいなって思っていたんですよ。
結構点在して見どころがあったのですが、時間切れで・・。
また行こうと思います。

そう!その通りです。
あまりいじらないでそのまま時間が経過したような佇まいでした。
今回は東大寺や周辺を走っただけでしたがムンムンと古の雰囲気を感じました。
道路や集落の様子はそのままのような感じですね。
奈良公園はやっぱりそうなんですね。あそこは凄いかも・・。

正夫(笑
イケメンですよね(笑

奈良始まりましたね。
男性限定のもとても気になっています。
いつもは「只行ってみたい」だけですが、これは本当に行ってみようと思っているんです。
すごい歴史の蓄積ですよね・・。

近畿で謎な部分が多かったこのエリアですが
僅かに触れられて、心に残るものは大きかった・・。
なかなかではなく、かなりです!
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by kkai0318 | 2017-02-11 03:49 | | Comments(10)