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Sauntering  古錆日記・気に入った物、コトをつらつらと。

Cub a nice trip 2016 その3





豊田に到着。




ここは第2の目的があります。
それは20年来の夢を叶える場所。



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遡ること20数年前。



登山を始めて数年経つ頃、誰もが黎明期にあるような
激しい登山への憧れや情熱がありました。
国内の登山の本、海外の本を読み漁り、読み耽り・・・。



その時に出会ったのが長谷川恒男さんの本です。
この方、登山をやる人で、知らない人は居ないのではないでしょうか。


一番有名な記録は、ヨーロッパアルプス三大北壁を厳冬期にソロで
完登したというもの。世界初の事を成し遂げた瞬間です。
フィナーレとなるグランドジョラス北壁は、自分の生まれる2週間前に登ったという記録を目にし
その時辺りに生まれたんだなぁと、勝手に因果を感じていたものでした。


そのグランドジョラスで手にしていたピッケルが「二村ピッケル」というものです。
北壁完登の最後は、長谷川さん本人がデザインし、日本の鍛冶が作ったピッケルで
登りたいと思っていたようです。
テクニカルな面からしても、既製の物では満足出来なかったというのもあると思いますが。。
自分の経験をフィードバックできるピッケルが、日本の鍛冶の技術を用いて完成したのです。





ピッケルの国産は数多くありますが、世界に知られているのは
仙台山内、門田、二村だけでしょう。



仙台山内、門田が亡き今、日本で鍛造ピッケルを作っている最後の職人です。






前置きが長くなりましたが、その二村さんを訪問しました。





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長いこと夢に描いていた工房訪問、かなりドキドキしました。
二村さんは丁寧に、親切にピッケルの事、長谷川さんの事を話してくれました。

あらゆる言葉が経験の上の言葉なので、聞き漏らさないようにします。
本当に好きなことは、こんなに幸せな時間なのかと。

自分の持っているピッケルの事、シャフトの交換の技術的な事まで
勿体ぶる事なく教えてくれます。



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ウッドシャフトのピッケルは、今では時代遅れとなりつつありますが
強度や衝撃吸収としても、現代でも立派に役目を果たします。
傷を付けなければ、ちゃんと機能する。
手入れが大事なのは勿論ですが、やはり美しい。



金属の部分は壊れること無く形を為しますが、木の部分は如何せん劣化します。
しかしちゃんとした木材を使えば、何十年も使用に耐えうる強度を保持するようです。






今回、初めて知ることも数々あり・・・。




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石突きの部分がこんなに長いということ。
通常のピッケルは多く先の部分が折れてしまう。
ということはこのシャフトに入る部分を長くすれば強度が出るということ。



日本の槍や鏃(やじり)と同じような考えです。
これを自分の工夫で答えを出したようです。



自分も様々なメーカーの石突きを取り出していますが
ここまで長いものは見たこと無い。この半分、いや、せいぜい3分の1位か。




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これだけ見たら槍そのもの。


シャフトの穴あけや取り付けも、なるべく木に傷を付けない工夫がされています。
いや・・ほんと凄いしか言葉がない。



ちなみに山内はこの部分が18cm(!)あったようです。
それを丁寧に電動の物を使わず、ちくちくと手工具で穴を開けていたらしい。
凄まじい話です。


ピッケルではこの部分を多用するので、最も大事なパーツです。
そして作り手もそれを重々承知しています。


実際に強度や跳ね返りの差を見せてくれました。


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いや・・・凄い。
これは折れないです。








ちょっと写真やトピックが多い・・・。





続きます。





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Commented by N-styel at 2016-01-14 13:28
初めまして‼︎( ´ ▽ ` )ノ
私の拙いブログにイイねを贈って下さって、どうもありがとうございます!٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
山を愛し、アウトドアな素敵なお暮らしを拝読させていただきました。
私の知らない世界が満載で、ワクワクします!
これからも仲良くお話させて頂けましたら嬉しいです♡( *´艸`)

Nao☆
Commented by kkai0318 at 2016-01-14 21:48
Naoさん

こんばんは~。
はじめまして。コメントとご訪問ありがとうございます!
最近は山に登る時間が少なくなってきていますが
今年は多くしていこうと思っています。
こちらも色々な方の暮らしを見て、参考や勉強になっています。

こちらこそこれからも宜しくお願いします~!
Commented by nobistretch at 2016-02-06 12:22 x
Bhendのピッケルでコメントさせて頂いたものです。
僕も来週二村さんの工房を訪ねる予定でしたので、こちらも拝見して驚きました笑
実は二村ピッケルを持っていたのですが、昨年ノルウェーのコレクターに譲ってしまいました。ノルウェーに山岳博物館を作る計画があるらしく、そこの目玉にどうしてもと...
今となってはちょっと後悔していますが、海外のコレクターから日本のピッケルを評価されることがほとんど無いので嬉しくなって譲ってしまったのです。まあまたどこかで巡り逢うこともあるでしょう。
それと、桃太郎公園から20分ほどのところに住んでいるので、もう少し早くご連絡差し上げれば良かったです笑
Commented by kkai0318 at 2016-02-07 23:12
nobistretchさん

こんばんは~。
コメントをありがとうございます。
そうなんですね。今は作っていないですが、是非色々お話を
訊いてみてくださいね。聞きたい事がありすぎて、自分は取り留めの無い
話ばかりになってしまいましたが・・。

二村さんのピッケル、お持ちだったんですね。
自分はまだ使った事がないので、どうだったのか知りたいです。。
ガッシリした造りは安定感が素晴らしいと想像できますが・・。
今となっては幻となりつつありますね。

え?そうなんですか?
凄いニアミスでしたね(笑
是非お話をしてみたかったです。桃太郎ということは
もしかしたら、共通の知人が居そうですね(笑




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by kkai0318 | 2016-01-13 23:52 | カブ旅・カブ | Trackback | Comments(4)