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Sauntering  古錆日記・気に入った物、コトをつらつらと。

黒部の太陽

黒部ダムへ扇沢から行くと、ダム駅にデカいポスターがあります。
通る度に見たいと思っていた本作、映画館でしか上映しないのです。

行ってきました。
黒部の太陽_b0223512_1453788.jpg


キャンプメンバーのはたぼさんに誘われて。見たかったから凄い嬉しい。
夜から出掛けて映画を見に行くのは久し振り、少し盛装をしたくなる。



現在失われたとも言える日本のスピリッツを感じる作品。
暑苦しい位に感じる情熱が、画面を通してひしひしと伝わってきました。
社会が元気のない時、こういう映画を見るのはいい。
少なくとも現在よりは努力が報われ、先に希望があります。
大変な時代だったと思うのですが、幸福度は高かったと思います。

題材はとても大きな国家プロジェクト。
しかし内情はパーソナルな部分に焦点を当てています。葛藤、困惑、憎しみ、悲しみ、喜び。
その他になりうる労働者も、それぞれが様々な事を考え、それぞれに色んな物語がある。
忘れられたり、おざなりにされそうな部位ですが、人がやっている以上、影響は必ずあるかと。

そういった感情の集合体が一つのデカイ仕事をやり遂げる。
更には時代的にも一人一人の地力が違いますね。
国は人なり。


さて。
登場してくる人の登山の服装、装備はやはり気になる。

ピッケルは国産の穴無しカドタかな。68年頃なので、国産の可能性が高い。
ザックはキスリング。これも国産っぽい。
一部夏山用の、強度の無いピッケルを持ってる役者さんも混じってましたが・・。
石原裕次郎のゲートルにアイゼン装着して雪の斜面を歩くシーンは大股。
疲れそうだな、とか思いながら雪景色に見とれます。


文句なしに格好いい、三船敏郎。
渋くて存在感あって素晴らしい。世界のミフネと呼ばれるだけあります。
海外の”サムライ”のイメージは、この方が真っ先に出てくるそう。
眼鏡・出歯・短足という日本人のイメージを変えた人でもあります。
石原裕次郎を食う演技でした。

黒部の太陽_b0223512_22161.jpg


所々に登場する北アルプスの映像が実に美しい。
古い映画なので画質は期待していなかっただけに吃驚。
さらにはCGを一切使わないド迫力の画は、それらを駆使し何を伝えたいのか分からない映画とは全然違う。
リアルな物の動きって、やはり凄い。

役者は会話せずとも目で感情が伝わります。
効果的な会話や音の入れ方も印象深い。




3時間弱の上映時間、途中に休憩時間があるのに驚きました。
前半の内容を咀嚼するのにいい。昔の映画ではあったようです。
休憩時間も独特の雰囲気。

…うーん、コンサートに似ていますね。来場者は大人ばかり。

きっと、実際に働いていた人、関係者とか来ていたのでしょうね。
労働者系の人が多くいました。彼らには感慨深いモノがあるでしょうね。
そんな瞬間に立ち会えた人が羨ましい。



見て良かった。

はたぼさんありがとう。
Commented by paranoia2004 at 2012-03-28 18:09
この映画は一度見てみたいですね。
Commented by kkai0318 at 2012-03-28 22:20
NHKでやったドラマよりもよりリアルです。
見てみてください。
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by kkai0318 | 2012-03-26 12:49 | 近場のお出掛け、イベント等 | Trackback | Comments(2)