2012年 03月 26日
黒部の太陽
通る度に見たいと思っていた本作、映画館でしか上映しないのです。
行ってきました。
キャンプメンバーのはたぼさんに誘われて。見たかったから凄い嬉しい。
夜から出掛けて映画を見に行くのは久し振り、少し盛装をしたくなる。
現在失われたとも言える日本のスピリッツを感じる作品。
暑苦しい位に感じる情熱が、画面を通してひしひしと伝わってきました。
社会が元気のない時、こういう映画を見るのはいい。
少なくとも現在よりは努力が報われ、先に希望があります。
大変な時代だったと思うのですが、幸福度は高かったと思います。
題材はとても大きな国家プロジェクト。
しかし内情はパーソナルな部分に焦点を当てています。葛藤、困惑、憎しみ、悲しみ、喜び。
その他になりうる労働者も、それぞれが様々な事を考え、それぞれに色んな物語がある。
忘れられたり、おざなりにされそうな部位ですが、人がやっている以上、影響は必ずあるかと。
そういった感情の集合体が一つのデカイ仕事をやり遂げる。
更には時代的にも一人一人の地力が違いますね。
国は人なり。
さて。
登場してくる人の登山の服装、装備はやはり気になる。
ピッケルは国産の穴無しカドタかな。68年頃なので、国産の可能性が高い。
ザックはキスリング。これも国産っぽい。
一部夏山用の、強度の無いピッケルを持ってる役者さんも混じってましたが・・。
石原裕次郎のゲートルにアイゼン装着して雪の斜面を歩くシーンは大股。
疲れそうだな、とか思いながら雪景色に見とれます。
文句なしに格好いい、三船敏郎。
渋くて存在感あって素晴らしい。世界のミフネと呼ばれるだけあります。
海外の”サムライ”のイメージは、この方が真っ先に出てくるそう。
眼鏡・出歯・短足という日本人のイメージを変えた人でもあります。
石原裕次郎を食う演技でした。
所々に登場する北アルプスの映像が実に美しい。
古い映画なので画質は期待していなかっただけに吃驚。
さらにはCGを一切使わないド迫力の画は、それらを駆使し何を伝えたいのか分からない映画とは全然違う。
リアルな物の動きって、やはり凄い。
役者は会話せずとも目で感情が伝わります。
効果的な会話や音の入れ方も印象深い。
3時間弱の上映時間、途中に休憩時間があるのに驚きました。
前半の内容を咀嚼するのにいい。昔の映画ではあったようです。
休憩時間も独特の雰囲気。
…うーん、コンサートに似ていますね。来場者は大人ばかり。
きっと、実際に働いていた人、関係者とか来ていたのでしょうね。
労働者系の人が多くいました。彼らには感慨深いモノがあるでしょうね。
そんな瞬間に立ち会えた人が羨ましい。
見て良かった。
はたぼさんありがとう。
見てみてください。